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何でも食べるって言ってもそれはダメ！

私が目を覚ました時、
隣国の王の顔が目の前にあった。
驚くと同時に、身体を離そうとしたけど
何かに固定されているようで
手が上がらない。

慌てて首だけを回して逆を見たら、
逆にも別の国の王の顔が目と鼻の先にある。

そして2人の王にぴったりと挟まれ、
さらには何か箱のようなものに
入れられているらしく
私は身体を動かせなくなっている。

これは一体どういうことだろう。
とにかく落ち着かねば・・
記憶を辿ってみる。

昨日は確か
城で近隣諸国の王を集めての
パーティだったはず。
パーティが始まり、
食事が運ばれてきて・・・

はっ！
その時に確か、ドドドドドド！！
という大きな物音と共に、
何かが広間に突入してきて、
私は弾き飛ばされ、
そこからの記憶がない。

私はパニックになり、
隣の二人を起こそうと
呼んでみた。

しかし表示される
「へんじがない　ただのしかばねのようだ」
の文字
し・・死んでる・・。

あまりの恐怖から
私は王にあるまじき叫び声を上げてしまった。

すると・・
さっきまでは気付かなかったのだけど
私が入っている箱の周りにいた
私より一回り大きな体を持ち
手にはフォークとナイフを持ち、
よだれをたらすなめこが
一斉にこっちを向いた。

わずかな記憶に浮かぶ、
広間に突入してきた何かと
目の前のなめこが一致した。

早く逃げなくては！
しかし逃げようにも逃げられない！
何とか身体を揺すっても、
くっついている2人の王の死体は動かないし、
箱もびくともしない。

こうしている間も何十人もの
ナイフを持ったなめこが私に近づいてくる。

どうしてこうなったんだ！
私は昨日まではなめこの世界でも
有数の権力を持つ王だったはず！

これからも、たくさんの輝かしい
出来事が待っていたはずなのに！

分からない！分からない！

誰か！誰か助けて！

ナイフを持ったなめこが、
私が入っている箱に手をかけたとき、
唯一分かったことがある。

私は今から食べられてしまう。

目の前の大きななめこが
ナイフを振り上げたとき、
私は・・










なめた坊さん
ありがとうございました！

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